外国人労働者を介護職で雇うメリットは?雇用の前に知りたい4つの制度も解説

公開日:2023/06/15  最終更新日:2023/05/08


日本は2008年にEPA経済連携協定の枠組みで、初めて海外であるインドネシアから介護福祉士候補者を受け入れました。介護分野の特定技能外国人は推定5,000人以上とされています。今後も特定技能外国人が増えると予測されるなか、外国人労働者を介護職で雇うメリットと雇用前に知っておくべき制度について解説します。

外国人を介護職で雇用する=人手不足解決?

近年の日本は世界最高水準の高齢化率となっており、さらに少子化が進んでいることから、介護の現場は深刻な人手不足となっています。厚生労働省によると、2025年には介護分野の人材は245万人が必要であり、年間6万人ずつ介護人材を増やさなければならないと試算されています。外国人を介護職で雇用することは人手不足を解決することにつながるのでしょうか。

介護職で雇用する場合には主に4つの在留資格があり、それぞれ制度の目的や受け入れの上限は異なっています。2008年に外国人介護労働者を受け入れ始めた歴史的な転換点を皮切りに、10年余りの間で何度も制度が見直され、現在では外国人介護労働者の受け入れ方法は多様になりました。

最初に創設されたEPA制度では受け入れ上限が300人ですが、他の制度では上限5,000人であるほか、上限なしというものもあります。さまざまな制度を組み合わせて外国人介護労働者を受け入れることで人材を確保しつつ、現場の負担を軽くして日本人介護職員の離職率が下がることも期待されています。

実際、介護職員の離職率は低下傾向にはありますが、いまだ全産業と比べるとやや高く、企業が出す求人数に対して介護職希望者は足りていません。人手不足は外国人介護労働者を受け入れるだけで解決するものではなく、長期的、総合的に取り組んでいくべき課題といえます。

介護職で雇用する前に知りたい4つの制度

外国人が日本国内で働くためには在留資格を持っていること、在留資格の種類が介護分野で働くことが認められている4つの制度のいずれかであることが必要です。これを守らないと不法就労となりますので注意が必要です。4つの制度について解説します。

在留資格「特定活動」で受け入れるEPA介護福祉士候補者

2008年8月にEPAの枠組みで介護福祉士候補者を受け入れました。受け入れは協定を結んだインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国のみとなります。日本の人手不足の解消を目的とするのではなく、相手国の経済の発展が目的となっている国際貢献です。

日常会話の日本語を理解するため、合計12カ月の日本語研修や日本語能力試験が課されており、入国して働き4年目に介護福祉士の国家試験を受験します。資格を取得すれば、在留期間の制限なく介護福祉士として働き続けることができます。

在留資格「介護」

2017年9月から専門・技術分野の外国人労働者受け入れを目的に「介護」という在留資格が創設されました。これが介護福祉士の資格を取得した留学生が日本で介護職を続けるための在留資格で、雇用時に介護福祉士資格を持っていることが条件となります。

この資格が創設されることで介護福祉士養成校への追い風となり、介護留学生が増えることが期待されています。介護留学生は在留資格「留学」で来日し、資格取得後にこの「介護」に切り替えることができ、在留期限なく働くことができます。日本語能力も必要とされますが、EPAとは違い受け入れ施設とのマッチングは行われないため、自主的に就職活動を行う必要があります。

在留資格「技能実習」で受け入れる介護技能実習生

技能実習制度は1993年から開始されていましたが、2017年11月に介護の業種が追加されました。一定期間、日本で技能実習を行って技術を身につけ、母国に帰って技術を生かしてもらう技術移転が目的です。

協力覚書を結んだベトナムやインドのほか、タイやスリランカ、ミャンマーなど14か国から受け入れをしています。入国時には基本的な日本語が理解できるレベルが求められます。監理団体によって受け入れの調整や支援が受けられます。介護サービスのうち訪問系サービスは不可、夜勤は条件つきで可能です。

在留資格「特定技能1号」で受け入れる介護人材

2019年4月に創設されたのが、人手不足が深刻な分野で人材確保を図るための在留資格「特定技能1号」です。介護のほか農業や漁業、外食業など14分野が対象となりましたが、中でも介護分野の受け入れ人数が最も多くなっています。日本語能力以外の資格は雇用時には不必要ですが、母国で実務要件を満たしていれば国家試験を受験することが可能です。

就労期間は最長5年で、介護福祉士を取得すれば「介護」の在留資格に切り替えられるため、期限なく介護福祉士として働くことができます。同じ業務内などであれば転職が認められているため、ひとつの職場に縛られにくく、技能実習制度よりも生活費の困窮や不法労働などの問題が起こりにくいといわれています。

その他

上の4つの制度以外にも介護職で働ける在留資格があります。もともと在留期間に制限がなく働くことにも制限がない「永住者」や、在留期限があっても働くことに制限がない「永住者の配偶者・子」、「日本人の配偶者・子」、「日系3世などの定住者」も就労制限がないため、介護の仕事を選ぶことができます。

外国人を介護業界で雇用する際の注意点

外国人介護労働者は、主に家族を経済的に支援することを動機として来日しているケースが多くあります。一方、受け入れ側の施設は国際貢献や職場の活性化、人手不足の解消を目的としています。雇用する際には、この目的のズレに注意しなければなりません。

安い労働力や介護ロボットとしてではなく、労働者本人が望むようなキャリアへのサポートが必要です。本人の意志を無視して無理な条件で雇用すれば、技能実習生で多くみられるような失踪、困窮、不法労働につながりかねません。

また外国籍であっても社会保険の対象となります。きちんと生活を保障しながら、キャリアを積み、社会に溶け込みながら望む人生を歩めるようなサポートが必要です。これは外国人であっても日本人であってもかわりなく、会社と労働者の理想的な関係です。

まとめ

今回は、外国人労働者を介護職で雇うメリットや制度について解説しました。世界は常に変化し続け、いろいろな背景の人々と共に生きることは必須の課題です。介護労働者を受け入れることは単なる人手不足の解消方法ではなく、新しい社会を創り上げていくためのひとつのステップです。日本はジェンダーギャップ指数や外国人の権利保障という点で国際的に見るとまだまだ遅れていますが、これからはどんどん国際化が進んでいきます。

海外から来るのは「外国人労働者」ではなく、ひとりの名前ある人間です。違う文化に対する理解を深めるためには、まず目の前の人が名前ある一個の人間だということを再確認することです。自分との違いを否定や拒否をするのではなく、お互いに尊重し合うフラットな関係ができれば、どんな人も生きやすい魅力的な日本になるのではないのでしょうか。

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