不法就労助長罪になる?偽造在留カード問題と不法就労が判明した際の対応

公開日:2023/08/15  最終更新日:2023/05/24

外国人が日本国内で働くためには、規程の手続きを行い、資格を示す在留カードを取得することが必要です。この資格がない、または資格の範囲を超えて働くと不法就労となります。近年、偽造在留カードを用いた不法就労が問題となっています。今回は、この問題と不法就労が判明した場合の対応について解説します。

不法就労とは?不法就労となるケースを解説!

不法就労は日本で働くことが認められていない外国人が働くことです。日本国内に滞在することを在留、滞在していい資格を在留資格といいます。不法就労には主に3つのケースがあります。

そもそも日本にいてはいけない外国人が働く

日本に不法に密入国をした外国人や、在留資格の期限が切れたのにもかかわらず滞在している外国人は、在留資格がありません。そのためそもそも日本にいてはいけませんし、働くこともできません。

日本にいてもいいが働いてはいけない外国人が働く

在留資格を持っているからといってすべての外国人が働いていい就労資格を持っているわけではありません。

在留資格には働くことが認められないものがあります。「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在(就労資格等で滞在する外国人の家族)」の場合、就労資格はありません。

ただし、事前に入国管理局に資格外活動の許可を得ている場合には、定められた範囲内、原則週28時間以内であれば働くことができます。

日本で働いてもいいが許可された範囲を超えて働く

就労資格を持っている場合、活動制限のあるものとないものがあります。例えば、永住者やその配偶者と子、日本人と結婚した外国人とその子、日系3世などの定住者は活動に制限なく働くことができます。外交官等の使用人やワーキングホリデーは特定の活動のみ働けます。

それ以外のほとんどの在留資格は就労に活動制限がかかります。専門的・技術的な分野、具体的には外交や芸術、医療や介護、教育や研究、法律関連、特定技能、技能実習などは認められた範囲内において就労が可能です。

各専門分野で働くのは良いですが、レジや工場のラインなど単純労働に就くことはできません。これは日本人の雇用安定のため禁止されています。また、週28時間以内と定められている場合はこれを超えて働くことも不法就労となります。

雇用中の従業員が不法就労だった場合雇用主も罰せられる

もし上記の3ケースのいずれかに当てはまる場合、不法就労となります。その場合、働いた外国人本人は国外退去、雇用主も「不法就労助長罪」に問われる恐れがあります。

不法就労助長罪とは、就労許可のない外国人を雇用した事業主や、不法就労につくようにあっせんした者が問われ「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその併科」の罰則があります。

注意しなくてはいけないのは、在留資格の確認もれや許可されている就労資格の内容をよく知らなかった、偽造の在留カードにだまされた場合でも罪に問われる可能性があることです。

偽造カードの場合には事前確認を怠らず、また確認した記録が残っている場合は過失がなかったと判断され不起訴処分となることもあります。

リスクから会社を守る!雇用前の対策方法

外国人を雇用する際には、雇用前に身分確認を行うよう法律で義務づけられています。在留カードやパスポートの原本を確認し、在留資格と期間、期限、資格外活動許可があるかどうかを見て雇用できる外国人かを確認します。

在留カードの番号が有効なものであるかはオンラインの照会システム「在留カード等番号執行情報照会」で確認できます。

在留カードのコピーは偽造される可能性が高まるため、必ず原本を確認します。在留資格カードの表裏を確認し、コピーをし、システムで照会し、照会結果画面をスクショや印刷などで記録を作成、保存します。

特に風俗営業では在留資格を確認した記録を作成し保存するところまで法律に義務付けられています。

不法就労が判明した場合はどうすればよいのか

もしすでに働いている外国人が不法就労だったことが判明したらどうすれば良いのでしょうか。まずは、法律で禁じられているのですから、判明した時点ですぐに解雇しなくてはいけません。

解雇には普通解雇と懲戒解雇があります。もし、雇用主が不法就労であることを分かっていて雇った場合、普通解雇となります。普通解雇の場合、30日前に解雇予告をする、もしくは30日分以上の平均賃金を支払う義務が生じます。

一方、本人が提出した書類が偽造などで雇用主が在留資格をきちんと確認したのに見抜けず雇用してしまった場合は、懲戒解雇にできる可能性があります。懲戒解雇にするには、会社の就業規則等に採用時に経歴詐称があった場合に解雇の対象であると記載されていることが必要です。

また、労働基準監督署の除外認定を受けることができれば、普通解雇で生じる30日前の解雇予告や30日分以上の平均賃金の支払い義務は生じません。

近年、偽造在留カードはどんどん巧妙になってきています。偽造が見抜けず不可抗力であったと示すためにも、在留資格を確認した記録は必ず保管しておきましょう。

また、就業規則の懲戒規程項目を再確認しておくことも大切です。不法就労に当たるかどうか心配な場合は、法律事務所や無料の法律相談の場で弁護士に相談しましょう。

まとめ

今回は、不法就労問題とリスクから会社を守る方法、不法就労が判明した場合の対応について解説しました。法務省の統計によると、2022年時点で日本国内には約6.6万人もの不法残留者がいて、その多くは不法就労をしていると考えられています。

不法就労は働いた外国人だけではなく、関わった会社も起訴され罰則を受ける恐れがあります。例えば通訳などの専門職の在留資格で入国した外国人を建設作業に従事させ逮捕された事例、失踪中の技能実習生らに在留資格外の仕事をさせて罰金100万円の略式命令が出た事例もあります。

このように罪に問われると責任者が逮捕され、業務に支障が出たり、報道されることで会社のイメージダウンになり大きな損害が出ます。

外国人を雇用する場合、雇用前の身分確認と雇用状況の届け出は、法律に定められた雇用主の義務です。知らなかったでは済まされないため、外国人を雇用する可能性のある会社ではきちんと最新の在留資格、就労資格の規程を調べ事前に準備しておきましょう。

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